恋 (新潮文庫)のレビュー
一目惚れの恋の具体描写と展開があれば…
「浪漫的恋愛」を読んで、同じ作家の「恋」を読みましたが、この「恋」は、後半部分の雛子と大久保の一目惚れの恋に主に由来するのでしょうが、この「一目惚れの恋」とは雛子に言わせれば「肉体でなく精神であった」とのこと。
1.私が理解しにくいのは「浪漫的恋愛」でもモチーフであった「一目惚れ」… この描写がほとんどなされていない… 強烈な一目惚れで、それがモチーフである以上、その一目惚れの具体とその後の展開理由を書いて欲しかった。そんなの文に出来ない、では小説としては逃げでしかないのでは… 強烈な一目惚れ、があって後に画面ががらっと展開するのだから、避けては通れないはずなのに…
2.それと、恋は「肉体でなく精神であった」、がホントとは思えない… それらは密接に絡み合っていて、恋は身体の触れあいを求めざるを得ないし、触れ合いを求めあってこそ恋もより深化するはずのもの…
所詮は小説ではあろうが、一番大事な所が納得できない展開では(描写がパスされてブラックボックス的に避けられているような;読者の想像に任せるでは逃げでは…)、未消化で残念としか〜
1.私が理解しにくいのは「浪漫的恋愛」でもモチーフであった「一目惚れ」… この描写がほとんどなされていない… 強烈な一目惚れで、それがモチーフである以上、その一目惚れの具体とその後の展開理由を書いて欲しかった。そんなの文に出来ない、では小説としては逃げでしかないのでは… 強烈な一目惚れ、があって後に画面ががらっと展開するのだから、避けては通れないはずなのに…
2.それと、恋は「肉体でなく精神であった」、がホントとは思えない… それらは密接に絡み合っていて、恋は身体の触れあいを求めざるを得ないし、触れ合いを求めあってこそ恋もより深化するはずのもの…
所詮は小説ではあろうが、一番大事な所が納得できない展開では(描写がパスされてブラックボックス的に避けられているような;読者の想像に任せるでは逃げでは…)、未消化で残念としか〜
ハヤカワ文庫のあとがきと解説は必読
ハヤカワ文庫での「文庫版あとがきに代えて」と
巻末の、阿刀田高さんの解説は、たいへん面白く感じました。
詳細をここに書いてしまうと、「ネタバレ」になりますので遠慮しますが
阿刀田さんの解説中の「指摘」に対して
小池さんが、文庫版あとがきに代えて、の中の「付記」で
きちんと回答をなさっております。
このやり取りは興味深く、小池ファンにとっては見逃せません。
ふうちゃんと雛子、信太郎の3人の関係は、恋愛と官能が複雑に絡み合う
一見あり得ないものですが、読み進んでもうっとうしさを感じない
実に爽やかな「三角関係」でした。
「このような関係も悪くない」と、それを肯定する気持ちが湧いてきた
さすが、小池さんの作品です。
作品中に、軽井沢の自然描写がいろいろ出てきますが
マルメロの樹が、最後に重要な役割を果たすのは、予想外でした。
このあたりの描き方も、さすが、小池さん。
作品もあとがきも、解説も、文句なしの「星5つ」です。
巻末の、阿刀田高さんの解説は、たいへん面白く感じました。
詳細をここに書いてしまうと、「ネタバレ」になりますので遠慮しますが
阿刀田さんの解説中の「指摘」に対して
小池さんが、文庫版あとがきに代えて、の中の「付記」で
きちんと回答をなさっております。
このやり取りは興味深く、小池ファンにとっては見逃せません。
ふうちゃんと雛子、信太郎の3人の関係は、恋愛と官能が複雑に絡み合う
一見あり得ないものですが、読み進んでもうっとうしさを感じない
実に爽やかな「三角関係」でした。
「このような関係も悪くない」と、それを肯定する気持ちが湧いてきた
さすが、小池さんの作品です。
作品中に、軽井沢の自然描写がいろいろ出てきますが
マルメロの樹が、最後に重要な役割を果たすのは、予想外でした。
このあたりの描き方も、さすが、小池さん。
作品もあとがきも、解説も、文句なしの「星5つ」です。
珠玉の恋愛小説
実は日本の女性の恋愛小説は苦手なのですが、これは面白かったです。
途中で飽きてきましたが、飽きたときにはもう引き返せないところまで読んでいました。
最後まで読んでよかったです。
倒錯的な生活を送る三人の物語。
やがて一人の男があらわれ、三人の平和が壊される。そのとき…。
そんなお話です。
ものすごく耽美な内容ですが、この作品のどこが面白いかと言われると、正直なところ答えずらいです。
「感性がいい」としか答えられません。
文章もそう華美ではなく、とても平板。
内容が耽美的なので、もっと華美な文章でもよかったと思いますが、そうなるとこの作者の作品にはならないのですよね。
でも、とても面白かったです。
途中で飽きてきましたが、飽きたときにはもう引き返せないところまで読んでいました。
最後まで読んでよかったです。
倒錯的な生活を送る三人の物語。
やがて一人の男があらわれ、三人の平和が壊される。そのとき…。
そんなお話です。
ものすごく耽美な内容ですが、この作品のどこが面白いかと言われると、正直なところ答えずらいです。
「感性がいい」としか答えられません。
文章もそう華美ではなく、とても平板。
内容が耽美的なので、もっと華美な文章でもよかったと思いますが、そうなるとこの作者の作品にはならないのですよね。
でも、とても面白かったです。
いわゆるひとつの「ウェルメイドプレイ」
なるほど、「よく書けている」、「力作」である。しかし、それがどうよ? これを外国語、たとえば、英語やフランス語に翻訳し、世界に出せるか? 出したら、たんなる三文小説だろう。
どの登場人物も、「物語」を語るための「道具」でしかなく、生きている感じがしなかった。共感もできなかった。本作をミステリーとしている「秘密」……それが、最初から、引っ張っていくのであるが、オワリの方を先に読んでしまうと(笑)、なんだ〜……である。そういう「秘密」は「ありふれている」し、「紋切り型」である……と、あえて言っておこう。
70年時代とその時代を生きた人々を題材にしたということであれば、藤原伊織の『テロリストのパラソル』の方が、文学としてリアリティがある。
だが、これだけの長さ(1000枚ぐらい?)を「うまくまとめた」のは、プロのお仕事でしょう(だから星3つ)。よかったね〜。ただ、それだけ。
しかし、なにが「恋」なんかね〜?
どの登場人物も、「物語」を語るための「道具」でしかなく、生きている感じがしなかった。共感もできなかった。本作をミステリーとしている「秘密」……それが、最初から、引っ張っていくのであるが、オワリの方を先に読んでしまうと(笑)、なんだ〜……である。そういう「秘密」は「ありふれている」し、「紋切り型」である……と、あえて言っておこう。
70年時代とその時代を生きた人々を題材にしたということであれば、藤原伊織の『テロリストのパラソル』の方が、文学としてリアリティがある。
だが、これだけの長さ(1000枚ぐらい?)を「うまくまとめた」のは、プロのお仕事でしょう(だから星3つ)。よかったね〜。ただ、それだけ。
しかし、なにが「恋」なんかね〜?
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一番近い関係としては子供から見た夫婦の関係かもしれません。夫婦が仲がよいと子供も両親を愛します。それは父親や母親といった個体ではなく夫婦という人間関係を一体として愛しているのだと思います。そんな夫婦関係に第三者が介入し、それによって夫婦関係が崩壊したときに子供がとる手段に一番近い気がします。
全体的には、70年代の頽廃的な学生運動が背景となっており、非現実的な人間関係と肉体関係が綴られており、どんよりとした印象を持たせながらも、最後にはホロッとさせる一文によってハッピーエンド的な印象を与える本でした。